こんにちは、まけしらです。
最近、部下から「社長、副業禁止だし給料も上がらないし、何か良い投資ってありませんか?」と相談されることが増えました。確かに、今の低金利時代では銀行に預けていても雀の涙程度の利息しかつきませんよね。
私自身、2代目として会社を継いだ当初は本当に苦労しました。売上は伸び悩み、社員からは給料アップの要望、銀行からは返済の催促…。そんな板挟み状態の中で「安定した収入源が他にもあれば」と何度思ったことか。
そこで注目したのが高配当株投資でした。今日は、実際に10年以上投資を続けてきた経験から、高配当株投資の本当のところをお話しします。
高配当株投資とは何か?基本の「き」
まず基本から整理しましょう。株式投資で得られる利益には2種類あります。
インカムゲイン(配当金):企業が株主に分配する利益 キャピタルゲイン(売却益):株価上昇による売却時の利益
高配当株投資は、このインカムゲインを重視した投資手法です。配当利回りは「年間配当金÷株価×100」で計算され、一般的に3%以上あれば高配当株とされています。
私が最初に投資したのは、配当利回り4.5%の総合商社株でした。100万円投資すれば年間4万5千円の配当金。月割りすると約3,750円です。「たった3,750円か」と思うかもしれませんが、これが毎月確実に入ってくる安心感は、経営の不安定さに悩んでいた当時の私には大きな支えでした。
高配当株投資の魅力的なメリット
定期的なキャッシュフロー創出
最大の魅力は、やはり定期的な収入です。会社経営をしていると、売上の波に一喜一憂することが多いのですが、配当金は比較的安定しています。
私の場合、現在のポートフォリオから年間約60万円の配当金を得ています。月割りすると5万円。これがあることで、心理的な余裕が生まれ、本業の判断も冷静にできるようになりました。
相場に左右されにくい安定性
株価は日々変動しますが、業績が安定している企業の配当は比較的変動が少ないものです。リーマンショック時も、私が保有していた電力株やJTの配当は維持されました(その後は状況が変わりましたが)。
複利効果による資産増加
配当金を再投資することで複利効果が期待できます。年利4%で運用できれば、72の法則により約18年で資産が倍になる計算です。
見落としがちなデメリットとリスク
ここからが重要です。高配当株投資には、見た目以上のリスクが潜んでいます。
減配・無配リスクの実態
企業業績が悪化すれば、配当は容赦なくカットされます。私も痛い経験があります。
2020年、コロナ禍でANAホールディングスが無配になったときは、配当利回り6%超の魅力に惹かれて大きく投資していたため、年間30万円の配当収入が一気に消失しました。その時の絶望感は今でも忘れられません。
株価下落による元本割れリスク
高配当株の中には、業績悪化により株価が下落しているものも多く含まれます。いわゆる「割安株の罠」です。
例えば、配当利回り7%の株があったとしても、1年間で株価が20%下落すれば、配当を受け取っても実質的には13%の損失です。配当だけに目を奪われて、企業の将来性を見誤ることは本当に危険です。
キャピタルゲイン狙いの難しさ
高配当株は成熟企業が多く、大きな株価上昇は期待しにくいのが現実です。成長株投資と比べると、資産増加のスピードは劣ります。
実践的なリスク管理術
失敗から学んだリスク管理のポイントをお伝えします。
銘柄分散の重要性
現在の私のポートフォリオは以下のように分散しています:
- 通信株:NTT、KDDI(20%)
- 総合商社:三菱商事、三井物産(20%)
- 金融株:三菱UFJ、三井住友FG(15%)
- 消費財:花王、ユニ・チャーム(15%)
- 電力・インフラ:関西電力、東京ガス(15%)
- REIT:15%
1つのセクターに偏らないよう、意識的に分散投資しています。
売却ルールの設定方法
感情に左右されないよう、明確なルールを設けています:
売却ルール:
- 株価が購入価格から30%下落した場合
- 2期連続で減配した場合
- 配当利回りが2%を下回った場合
このルールがあったおかげで、ANAの件でも損失を最小限に抑えることができました。
ポートフォリオ管理のコツ
毎月第1土曜日を「投資の日」と決めて、以下をチェックしています:
- 各銘柄の業績動向
- 配当性向の推移
- セクター別の分散状況
- 新規投資先の検討
この習慣により、問題の早期発見と対処ができるようになりました。
まとめ:中間管理職こそ知っておきたい投資の心得
高配当株投資は確実に資産を増やす魔法の杖ではありません。しかし、適切なリスク管理のもとで行えば、安定した副収入源として機能します。
特に中間管理職の皆さんには、以下の点を意識していただきたいと思います:
1. 感情ではなく数字で判断する 上司からの無理難題に感情的になることがあっても、投資では冷静さが命です。
2. 分散投資でリスクを分散する 部下のマネジメントと同じで、一つに依存するのは危険です。
3. 長期的な視点を持つ 短期的な成果を求められる職場環境とは対照的に、投資は長期視点が重要です。
私自身、まだまだ学ぶことは多いですが、この10年間の経験が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。投資はあくまで自己責任ですが、適切な知識と準備があれば、きっと良いパートナーになってくれるはずです。
まずは少額から、そして勉強を続けながら、一緒に資産形成の道のりを歩んでいきましょう。
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