まけしらです。2代目として会社を継いでから、もう20年近く経ちました。経営者になって痛感したのは、事業経営と個人の資産運用は全く別物だということです。
会社の財務は毎月チェックしているのに、自分の資産運用については「なんとなく」で済ませていた時期がありました。特に40代に入ってから、老後資金や事業承継のことを考えると、もう「なんとなく」では済まされません。
でも、いざ本格的に資産運用を始めようとすると、情報が多すぎて何を信じていいかわからない。特にSNSを見ていると「月利30%確実!」みたいな怪しい話ばかり。そんな経験、皆さんにもありませんか?
SNS時代の落とし穴 – ネット情報に潜む危険性と見極め方
正直に言います。私もTwitter(現X)やInstagramで「投資で億り人になった」という投稿を見て、一瞬心が動いたことがあります。でも、経営者としての経験が警鐘を鳴らしました。
「そんな美味しい話があるなら、なぜわざわざSNSで教える必要があるんだ?」
これが私の疑問でした。本当に稼げる手法なら、黙って自分だけでやればいいはずです。SNSで大々的に宣伝する理由は、大抵の場合、その手法自体ではなく「情報商材を売ること」が目的だからです。
特に注意すべきは以下のような投稿です:
- 高額な利回りを謳う投資案件
- 「誰でも簡単に」「確実に」といった断定的な表現
- 具体的な根拠や数字を示さない成功談
- フォロワーを集めるための煽り文句
私が情報を見極める際に意識しているのは、「この人は何を売ろうとしているのか?」という視点です。純粋に情報共有をしている人と、何かを売ろうとしている人では、発信内容の質が全く違います。
若年層が狙われる投資詐欺の実態 – 知識不足が招くリスク
最近、うちの会社の若い社員から相談を受けました。「先輩から『絶対儲かる仮想通貨』を勧められたんですが、どう思いますか?」と。
話を聞くと、それはいわゆるポンジスキームの典型でした。新しい投資家からお金を集めて、それを既存の投資家への配当に回す詐欺的な手法です。
若い人ほど、こうした詐欺に引っかかりやすい理由があります:
- 投資経験が浅く、リスクを正しく判断できない
- SNSネイティブで情報を鵜呑みにしがち
- 「早く成功したい」という焦りがある
- 金融リテラシーが不足している
私はその社員に言いました。「投資に『絶対』はない。もしそんな話があったら、まず疑ってくれ」と。
投資詐欺の多くは、人間関係を利用します。「友達だから」「先輩だから」という理由で判断を曇らせる。でも、投資判断に情は禁物です。これは経営判断と同じです。
継続学習が資産を守る – 変化する金融市場への対応策
金融市場は、私たちが思っている以上に変化が激しい世界です。コロナ禍で株価が大暴落したと思ったら、その後は史上最高値を更新。仮想通貨も乱高下を繰り返しています。
こうした変化に対応するには、継続的な学習が欠かせません。私が実践している学習方法をご紹介します。
信頼できる情報源の確保
- 日本経済新聞(紙媒体とデジタル版両方)
- 東洋経済、ダイヤモンドなどの経済誌
- 金融庁や日銀の公式発表
- 証券会社の調査レポート
実際の運用を通じた学習 机上の理論だけでは身につきません。小額からでも実際に投資を始めることで、市場の動きや自分の感情の変化を体験できます。私も最初は月3万円の積立投資から始めました。
失敗から学ぶ姿勢 これは経営と同じですが、失敗を恐れていては何も始まりません。ただし、致命的な失敗は避ける。これが鉄則です。
専門家活用のメリット – 税理士・FPとの連携術
正直に告白します。私は長年、「専門家に頼むのは弱い証拠」だと思っていました。でも、それは大きな間違いでした。
税理士の先生から「社長、個人の税務対策も考えないと、会社の節税効果が半減しますよ」と指摘されたのがきっかけでした。それからファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つ方とも連携するようになりました。
専門家を活用するメリット
税務面での最適化 個人と法人の税務を統合的に考えることで、トータルの税負担を最小化できます。例えば、役員報酬の金額設定や退職金の準備方法など、素人では判断が難しい部分を専門家がサポートしてくれます。
客観的な視点の提供 自分一人で判断していると、どうしても感情に左右されがちです。専門家は数字とデータに基づいて冷静にアドバイスしてくれます。
時間の節約 情報収集や分析に費やす時間を、本業に集中できます。これは経営者にとって非常に重要なポイントです。
ただし、専門家選びにも注意が必要です。特定の金融商品を強く推してくる人は避けるべきです。真の専門家は、まず顧客の状況を深く理解しようとします。
実践的な情報収集術 – 信頼できる情報源の見つけ方
情報収集において、私が重視しているのは「一次情報」です。誰かの解釈や意見が入った二次情報ではなく、元となるデータや発表内容を直接確認することです。
信頼できる情報源の特徴
- 発信者の身元が明確
- 具体的なデータや根拠を示している
- 過去の発言や予測の検証可能
- 特定の商品の販売が目的ではない
複数の視点からの検証 一つの情報源だけに頼らず、必ず複数の角度から検証します。特に重要な投資判断の際は、最低でも3つの異なる情報源をチェックしています。
情報の鮮度管理 古い情報に基づいた判断は危険です。特に金融情報は日々変化するため、情報の日付を必ず確認しています。
まとめ – 中間管理職・経営層への提言
中間管理職の皆さん、経営に携わる皆さん。私たちは日々、上司と部下の板挟みになり、理不尽な要求に応えながら成果を出すことを求められています。
そんな環境だからこそ、将来への備えとしての資産運用は欠かせません。でも、焦りは禁物です。「早く結果を出したい」という気持ちは、詐欺師につけ込まれる隙を作ります。
私が20年の経営経験を通じて学んだのは、「継続は力なり」ということです。資産運用も同じです。地道に学び、小額から始めて、信頼できる専門家と連携する。この基本を守れば、必ず道は開けます。
SNSの華やかな成功談に惑わされず、自分なりのペースで着実に進むこと。それが、私たち中間管理職・経営層にとって最も現実的な資産形成の道だと確信しています。
皆さんの資産運用が、将来への確かな備えとなることを心から願っています。一緒に頑張りましょう。
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